稽古場への礼儀

大学の授業では2つの教室を使っています。
三味線の授業では畳が敷かれた茶道室を、箏の授業では檜床の舞踊室を。(写真は特別に三味線を舞踊室で弾いた時の写真です…)
それぞれの楽器の響きや安全性を生かすためです。
三味線のバチはその両先端が尖っておりとても薄くて繊細です。誤って床に落としでもしたら簡単にパキッと端が欠けてしまいます。その点を考慮して茶道室での授業です。
それに対してお箏は舞踊室。お箏は楽器の上(弦の部分)から音が出ているように感じるかもしれませんが、底面に穴が空いており、お箏の下からも響いているのです。その点で床は畳ではなく、檜床の方が響いて良い環境なのです。

そんなことを毎年新学期4月初めの授業に話しますが、果たしてどれだけの学生が覚えているか…?

ただ、稽古場へ入る時、出る時には必ず正座をして挨拶をすることを徹底させています。『稽古場への感謝』その心を持ってから初めてお稽古が始まり、そして終わる という礼儀です。
初めは恥ずかしそうに、嫌そうにしている学生も1年経つと、その礼儀が普通となり違和感なく、むしろそうしないと気まずいような雰囲気すら醸し出すようになります。
良い習慣を身につけると一生の宝になると思い、指導しています。

カテゴリーBlog